なぜ読書感想文を書くのか ①一番の目的は読書を楽しむこと

夏休みもまもなく終わりですね。自治体によってはすでに新学期が始まっているところもあると思います。

夏休みの宿題の定番に読書感想文がありますが、以前に比べこの宿題が課される学校は減ってきているようです。それでもこの夏、読書感想文に関する記事をたくさん見かけたということは、一定数のご家庭がこの宿題に関するお悩みを抱えていらっしゃるということなのでしょう。

毎日小学生新聞でも、読書感想文に関する記事※1がありました。
8月6日の1面に掲載された作家の辻村深月さんの経験談を引いて、感想文の「こうでなければならない」に苦しめられた記憶が語られています。

他のメディアもあわせて見ていくと、読書感想文の「書き方」に関する記事が多いようです。「書き方」を教えるセミナーも多数開催されています。「書き方」を探されている方が多いということなのでしょう。

読書感想文の目的は?

そもそも読書感想文は何を目的としている宿題なのでしょうか。現場の先生方それぞれに違う思いをお持ちなのだとは思いますが、文部科学省のサイト※2によると、子どもたちの読書活動を推進する、読むことの楽しさを教える、という文脈で読書感想文が登場します。

読むことのみならず、感じ、感じたものを言葉にし、言葉を文章にまとめるところまでしてようやく感想文になるのですから、読書感想文を書くことによって育つ力は多くあると思います。その中で最も重視されているのが、子どもたちが本を読む機会を増やすことなのでしょう。

そうすると、文を書く困難さが読書にマイナスの印象を与えるのは、本来の目的を阻害しているということになりますね。長文の感想文ではなく読書メモのような短文が代わりに宿題になっているケースがあるのもそのためではと思われます。

ご家庭でお子さまの感想文をサポートされる際も、どうしても宿題を終わらせるということに意識がいきがちですが、読書を楽しむことが一番の目的と思えば、楽しい気持ちで取り組めるのではないでしょうか。

※1鈴と小鳥と:心をつづる時間に 読書感想文 | 毎日新聞 (mainichi.jp)

※2これからの時代に求められる国語力について-II これからの時代に求められる国語力を身に付けるための方策について-第2 国語力を身に付けるための読書活動の在り方 (mext.go.jp)

(続きは後日UP予定です。)